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2025/07/27

タイフェックス2025現地レポート:日本企業の挑戦とタイ市場の可能性

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タイフェックス2025現地レポート:日本企業の挑戦とタイ市場の可能性

Contents
  1. はじめに
  2. タイフェックスとは?アジア最大級の食品展示会
  3. 今年注目のJETROブースと日系企業出展の背景
  4. 会場の様子:IMPACTホールに広がる食の万博
  5. JETROブース特集:日本の“おいしい”が世界へ
  6. 出展企業レポート&アレンジ料理紹介
  7. バンコクメディア編集部談:現地で感じた“手応え”と“課題”
  8. まとめ:日本の味が、タイで光る理由
  9. おまけ:会場で見つけたちょっと面白い話
  10. 豆知識:会場アクセスも進化中。新モノレール「ピンクライン」でぐっと便利に

はじめに

2025年5月、バンコク・インパクトホールで開催されたアジア最大級の食品展示会「THAIFEX – Anuga Asia 2025」。今年も世界中から多くのバイヤー、出展企業、来場者が集まり熱気に包まれました。本記事では、「THAIFEX – Anuga Asia 2025」日本企業の挑戦と、タイ市場での可能性についてレポートします。

タイフェックスとは?アジア最大級の食品展示会

アジアを代表する食品・飲料展示会「タイフェックス(THAIFEX – Anuga Asia)」が、2025年5月、タイ・バンコクで過去最大規模にて開催されました。世界40カ国以上から3,000社を超える出展者が集結し、来場者数は延べ10万人超。会場は終始、活気と熱気に包まれていました。
注目すべきは、単なる“展示”の場にとどまらず、「味わい、語り合い、その場でビジネスが動く」リアル商談のダイナミズムが完全に復活していたこと。世界中のバイヤーと直接対話しながら、商品を手に取り、試食し、交渉する――そんな食の本質に立ち返る時間が、各ブースで繰り広げられていました。
また今年は、プラントベース、代替タンパク、サステナブルパッケージ、ハラール食品など、世界の食市場を席巻するキーワードが並ぶブースが目立ち、訪れるだけで最新トレンドの“今”が体感できる構成に。特に東南アジア発のスタートアップや、ローカル食文化をグローバル視点で再構築したブランドなど、これまで注目されにくかったプレイヤーにも大きな関心が集まっていました。
まさに、食に関わるすべての人にとって、見逃せない“リアルな最前線”。2025年のタイフェックスは、「展示会」という枠を超えた、国際的な“食の交差点”として圧倒的な存在感を示しました。
そんな世界規模の“食の交差点”に、日本企業も多く参加。今回は、日本企業の挑戦と、タイ市場で見えてきた新たな可能性にフォーカスします。
会場の様子

今年注目のJETROブースと日系企業出展の背景

今年もJETRO(日本貿易振興機構)が日本企業ブースを展開。中小企業の海外進出支援策の一環として、様々なジャンルの日本食・食品企業が出展しました。

「タイ市場で勝負したい」「ASEANへの足掛かりに」──出展企業の思いは共通していました。

会場の様子:IMPACTホールに広がる食の万博

各国のブース・来場者の熱気

アジアはもちろん、欧州・中東・アフリカ・南米からも多数の出展があり、多国籍な商談の場に。ムスリム市場を意識したハラル認証食品、代替プロテイン、サステナブル食材も目立ちました。

JETROブース特集:日本の“おいしい”が世界へ

JETROブースの目的と意義

日本産食品の認知向上、販路開拓、商談成立を目指すJETROブース。日本各地の“おいしい”食品が一堂に集められました。その目的は、日本産食品の認知向上や販路開拓、商談成立の支援にあります。JETROは海外バイヤーとの事前マッチングや、会場内に巨大広告を設置するなどして集客を図り、日本ブースはタイはもちろんシンガポールや中国、欧米各国のバイヤーで賑わいました。

タイ市場に向けた戦略と期待

品質と安全性で定評のある日本食品は、タイでも富裕層を中心に高い評価を得ています。近年タイ人消費者の間では「ヘルシー志向」や大切な人への「贈答需要」高所得層向けのプレミアム志向といった新たなニーズが広がりつつあります。日本企業はこうした動向に照準を合わせ、健康食品や高付加価値の贈答用食材などで差別化を図っています。実際、日本産食品はタイでは「安全・安心だが高価」とのイメージもありますが、それゆえに高品質な贈答品や高級食材として人気を博しています。
今回のJETROブースでも、高級ギフト向けに提案する展示が見られ、タイ市場での長期的なブランド定着に向けた戦略と熱意が感じられました。
<参考: 国・地域別の農林水産物・食品の輸出拡大戦略>

出展企業レポート&アレンジ料理紹介

JETROブースに出展した日本企業の中から、特に注目を集めていたブースをいくつかご紹介します。
さらに今回は、バンコク編集部の“食いしん坊メンバー”が実際に会場で購入した商品を使って、実際に料理してみました!
ウニパスタやサーモンのタルタル、ゆずそうめんなど、簡単で美味しいアレンジレシピも併せてご紹介します。
見て、食べて、作って楽しい──。展示会の熱気そのままに、日本の“おいしい”が現地の食卓にどう届くのか、体験レポート形式でお届けします。

注目ブース①焼き芋:砂糖不使用でこの甘さ!? タイ人も驚いた“スイーツ級”の逸品

焼き芋イメージ

そのままでも美味しい焼き芋を、大学芋にするというライブキッチン演出で来場者からのを集めたのは、九州産の熟成紅はるかを使った、SAZANKAの焼き芋。その甘さに、試食したバイヤーや来場者が思わず「信じられない、砂糖入っていないの?」と声を上げる場面も。 SAZANKAの焼き芋は一切の甘味料を加えず、自然の力だけで糖度40度前後まで引き出したというから驚きです。
「蜜が溢れ出る甘さとなめらかな触感」が特徴で、年間流通と味の均一化と日本全国、世界中に発送可能とのこと。
日本国内でも“おいもグランプリ”などで受賞歴があり、まさにスイーツ感覚で楽しめる自然派デザートとして、バンコクの健康志向層やスイーツファンに広がる可能性を秘めていると感じました。
そのままも、大学芋アレンジもとても美味しかったです。UAEバイヤーが、大学芋アレンジを絶賛していました。

焼き芋イメージ

注目ブース②ベビーフード:福島発!子育て世代に寄り添う強い味方

「かわいくて安心。しかも、おいしい!」
そんな声が絶えなかったのが、福島から出展した渋谷レックス株式会社のベビーフードブランド、「もぐもぐちゃん」シリーズです。
アレルゲン対応・無添加で、見た目もかわいい――日本品質ベビーフードは、会場でも熱視線を注がれていました。ノンフライの「ベジタブルぽんせんべい」や、岡山産牡蠣の旨みを凝縮した「ベビー白だし」など、どの商品にも共通するのは、“素材のちから”を最大限に活かしたやさしい味。安全安心志向が高まるタイ市場で好感触でした。

渋谷レックス株式会社ブースで「もぐもぐちゃん」シリーズあわせて展開されていた「ミライ御膳」シリーズからは、ベビー向けに開発された 鉄分入りしょうゆ鶏レバー100%パウダー など、
栄養機能を“おいしさ”で包み込んだ商品もずらり。
たとえばこの「ヘム鉄しょうゆ」。

見た目は普通のしょうゆなのに、塩分控えめで鉄分たっぷり。
離乳食の味付けから、炒め物・うどん・煮物まで幅広く使えて、
「これはうちのキッチンに常備したい!」という編集部員も。

サーモン:高品質で差別化、寿司以外の可能性も

高級サーモンも注目。現地シェフと共同開発したタルタルなど「寿司以外の使い道」も提案されていました。

アレンジ料理例:
サーモンのタルタルに柚子香るソースで仕上げ。

注目ブース③雲丹ソース──手軽に、でも本格。家庭で楽しむ“高級の一口”

ブースで試食した瞬間に「これはバイヤー心をくすぐる」と感じたのが、丸海の濃厚な雲丹(うに)ソース「雲丹醤(うにひしお)」。“高級食材なのに、調理は簡単”というギャップが大きな魅力で、バンコクでも「神戸屋」で購入できるようになるとのこと。
料理好きの心くすぐる「雲丹醤(うにひしお)」バンコク編集部では、さっそくパスタに使ってみました!

うにソースをバターと牛乳でのばして、クリームパスタに仕上げてみたら…
自画自賛ですが、「お店で出せるレベル」の濃厚さでした。
生クリームを使えばさらにコク深くなりそうですが、「雲丹醤(うにひしお)」のコクのおかげで、牛乳だけでも十分贅沢感が出ます。
味変に胡椒をひと振りしてみても、ピリッとしたアクセントが絶妙でした。仕上げにほんの少し本物の雲丹をトッピングしても良さそう。
さらに、編集部では「焼きウニおにぎり」にも挑戦。うにソースをご飯に混ぜて軽く焼くだけで、香ばしさと濃厚な風味が絶妙にマッチ。出汁やお茶をかければ、贅沢な「ウニ茶漬け」としても楽しめます。
アレンジ欲がどんどん湧いてくる“うにソース”は、まさに魔法の調味料。ごはんに混ぜて手軽な一品にも、特別な日の“ごちそう仕上げ”にも使える、頼れる一瓶です。

注目ブース④ゆず:香りで魅せる、日本の“和”を届ける

ゆず果汁・ゆずピールも注目株。バンコク・ドンキモール等で販売もされており、リピーターもいるのだとか。バンコク編集部員も会場で試食した翌日、ドンキモールトンローにゆずシャーベットを買いに行きました(当日は人気につき完売でした)。
アイスではなく、柚子100%の柚子果汁をタイフェックス当日はゲットしましたが、香りが抜群。そうめんにさっとかけてみたり、ちょっと気取ってサーモンタルタル(サーモン、オニオン、アボカド、マヨ)の隠し味にしてみたり、どんな使い方でもビシッと味の決め手になる頼れる柚子果汁でした。

注目ブース⑤調味料(焼肉のたれ・麺つゆなど):万能なうま味が武器

「麺つゆ」「焼肉のたれ」「和風だし」などは、タイ料理とも相性抜群の予感。自宅で簡単に本格和食を楽しめるとタイ人にも人気のブースとなっていました。

注目ブース⑥:栃木の鮎とサーモン

普通のサーモンより「くどくない」のに「旨みはしっかり」なのが、栃木県が独自に開発したブランド鱒、八潮鱒(ヤシオマス)。上質な脂がじんわり広がるのに、食後感は軽やか。栃木が誇る“プレミアムサーモン”の実力に、現地のバイヤーも舌を巻いていました。そのバランスの良さから、刺身はもちろん、ムニエルやフライ、煮物までどんな料理にも合います。会場でも各国バイヤーの注目を集めていました。
バンコク編集部員はサーモンのタルタルを作ってみました。抜群に美味しかったです。しかし、衝撃だったのが調理途中に素材をそのままつまんだとき。八潮鱒(ヤシオマス)の旨みがダイレクトに伝わってきて、編集部員一同、これは刺身でも食べたいと急遽路線変更。2/3をお刺身としていただきました😋

さらに、ヤシオマスは栃木県産の清流で大切に育てられた完全養殖。赤みが美しく、身質もしっとりやわらか。オレイン酸を多く含んでいて、まさに「日本生まれのプレミアム・サーモン」と言える逸品です。

バンコクメディア編集部談:現地で感じた“手応え”と“課題”

短期的な成果 vs 長期的な市場開拓

その場で即契約成立する商談は限定的。一方で「日本食品は良い」という認識はかなり浸透。中長期的な定着には価格競争力と認知拡大が課題です。

UAEバイヤーと話して感じたリアルな感想

会場には中東バイヤーも多数。UAEバイヤーは「タイ経由で日本食品を輸入したい」と関心。バンコクがASEAN+中東へのハブとなる可能性も。

まとめ:日本の味が、タイで光る理由

食を通じた文化交流の可能性

食は言葉を超えた文化交流。日本の“ていねいな食”は、タイでもしっかりと響いています。

中小企業のチャレンジを後押しする土壌

JETROや各支援機関の後押しもあり、今後も多様な中小企業がタイ市場へ挑戦し続けるでしょう。

おまけ:会場で見つけたちょっと面白い話

  • 焼き芋はダイエットに良いという認識は、日本だけでなくタイ人にも浸透し始めている
  • 日本クオリティベビーフードへの視線は、まさに“熱視線”

豆知識:会場アクセスも進化中。新モノレール「ピンクライン」でぐっと便利に

2024年末に開通したモノレール「ピンクライン」により、インパクトホールへのアクセスが飛躍的に向上しました。これまで渋滞や距離感をネックに感じていた出展者・来場者にとって、大きな改善ポイント。バンコク中心部からもぐっと身近な会場になり、今後のイベント参加ハードルが一気に下がりそうです。

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